第22章 傷
赤犬「・・・おんどれ・・小娘がぁ・・・!!」
ズッ・・と腕を抜く赤犬。
赤犬の脇腹からは大量の紅。
ルフィ「・・・エ・・ス・・・?」
エース「がふっ・・・・!!」
エースの脇腹もまた、紅。
サボ「エース!!!」
海賊「・・・エースが・・。」
「エースがやられたぁぁぁああああ!!!」
倒れこむエースを抱えるルフィ。
サボも海軍をなぎ倒しながらルフィ達の方へと駆けて来る。
アルは三人の元へ辿り着くと、メアリーをそっと下した。
ルフィ「エース・・・?エースっ!!!」
メアリー「ルフィ!エースを横にして!!早く!!!!」
ルフィが動揺して何も出来ないのに気付いたサボはすぐさまルフィからエースを降ろす。
メアリー「エースっ!聞こえる?まだ意識あるわね!?」
エース「・・・ねえ・・ちゃん・・・。」
メアリー「すぐに処置する!踏ん張りなさい!!!」
エース「・・・姉ちゃん、おれ・・・。」
サボ「エース!!」
エース「・・・俺の人生に・・悔いはねぇ・・・。けど・・心残りはある・・。お前の・・“夢の果て”は・・見れそうにねぇ・・な・・。」
ルフィ「エース・・・?なぁ、エース!!!!」
赤犬「火拳はもう手遅れじゃ・・・内臓を抉ったからのぅ。」
サボ「・・・貴様・・っ!!!!」
メアリー「・・・ねぇ、エース・・?」
メアリーはエースの止血をしていた手を止めて、エースに問いかける。
メアリー「貴方は・・・私が姉で、良かった??」
この状況下で、微笑むメアリー。
エース「・・・当たり前だろ・・っ・・・!」
エースの目に浮かぶ涙。
メアリー「・・・良かった・・。」
俯きながらメアリーは、そう呟いた。
一滴の雫を落として。
ルフィ「姉ちゃん・・・!エースが!エースが死んじまう!!」
メアリー「・・・ルフィ。」
泣いているルフィの頭を撫でるメアリー。
メアリー「貴方は強いわ。だから、自信を持ちなさい?」
ルフィ「・・・姉ちゃん・・?」