第16章 再び
リコリス・D・アン
彼女の名を知る一般人は大勢いるであろう。
医者
名医
医学者
天才
美人
調合師
海賊。
彼女は、様々な顔を持ったと言われている。
しかし、彼女は忽然と姿を消してしまった。今から約20年前・・・そう、ロジャーの死刑の後。
海軍も欲す医学の知識を持つ彼女。
総力をあげて調べ上げたが、とうとう姿を現す事のなかった女性。巷では、すでに死んでいるとまでも囁かれている。
しかし、それが“事実”でもあった。
メアリー「あーおいー・・そらー・・♪」
メアリー。
彼女こそ、リコリス・D・アンの一人娘。
エースの姉。サボの姉。ルフィの姉。
彼女もまた、様々な顔を持つ。
メアリー「ねぇアル・・・みーんな、いなくなっちゃったね。」
アルはメアリーの足元に寄り添って座り込む。
メアリー「やっぱり、皆海を好くのねぇ。親と同じで。・・・そして、海に愛される。」
じっ・・・と何か遠くを見つめるメアリー。
メアリー「・・・そう・・。じゃあ、出かけましょうか。」
遠い、遠い旅。