第13章 姉
いい匂いがして、エースは目を覚ました。
目の前には白いもふもふ。
慌てて起きてみれば、メアリーの姿はない。
ベッドから飛び降りてキッチンへ走れば、楽しそうに料理をするメアリー。
エース「ね、えちゃ・・・。」
メアリー「・・・あ、おはようエース。一番乗り!」
メアリーはフライパンを持ったままにこりとエースに笑いかける。
そんなメアリーに、無言で突進したエース。
メアリーにがっしりとしがみついた。
メアリー「っと・・・!エース?」
エース「・・・おかえり、姉ちゃん。」
にへらっと笑いながら言うエース。
メアリー「・・・ただいま、エース。」
メアリーはしゃがんで、エースを抱きしめる。
エース「遅かったじゃねぇか・・・。」
メアリー「ごめんごめん。アルも一緒だったし、大丈夫だったよ。」
エース「・・なら、いいけど。」
メアリー「エースを残していなくなったりなんてしない。ね?」
エース「・・・あぁ。」
「二人とも、仲がいいのはいいけどルフィが起きる前に離れないとうるさいぞ?」
メアリー「あ、サボ。おはよ。」
エース「サ、ササササボッ!?いつから・・・!!」
サボ「さっき。おはよ、姉ちゃん。」
サボはそのままカタンッと椅子に座る。
メアリー「おはよ、サボ。ご飯ちょっと待ってね。」
サボ「おぅ。ルフィ起きて来てからでいい。」
エースはメアリーから離れると、たたたっと駆けだしていく。
メアリー「エース?どこ行くの??」
エース「新聞!取って来る!!」
エースは入り口のポストから新聞を抜き取り、家の中へと戻って行った。しかし、一枚の紙がはらりとポストの近くに落ちた。
WANTED
“山の姫”
Alive only
80,000,000――
紙は風に飛ばされて天へと舞い上がった。