第2章 誕生
医者「・・本当に、行くのか。」
メアリー「うん。だって、ママとの約束だから。」
メアリーはエースを抱えて、景色の綺麗な崖にいた。
ポートガス・D・ルージュ。彼女の墓の前に。
医者「何も翌朝に出る事・・・!」
メアリー「急がなきゃ。エースは私が守るの。」
メアリーの腕の中で静かに眠るエース。
メアリー「・・・もう、あの家には戻らないから、お医者さん使っていいよ。(ニコッ」
医者「・・・行って、しまうんじゃな。」
メアリー「・・・また、会いたいな。」
医者「・・・あぁ・・もちろんじゃ・・・!!」
メアリーはエースを抱えて小舟に乗る。
医者「気を付けるんじゃぞ。赤ん坊は繊細じゃ。」
メアリー「ありがと!お医者さんも、元気でね!」
そうして、町の人々にも別れを告げる事なく、メアリーはエースを連れて島を出た。
齢、4歳である。
メアリー達が出港したその夕刻、その家に海軍は来た。
ガープ「・・・!」
「・・・もう、出て行ってしまったわぃ。」
海軍中将、ガープにそう伝えるのは、あの医者。
ガープ「いつ・・・誰が連れて出て行った!?」
医者「ここに住んでた子さ。ルージュを埋葬して、家を片づけて・・・すぐに出発してしまった。」
ガープ「子供・・・じゃと!?」
医者「小舟で出て行ってもうた・・・。時間も経っとる。すぐには見つからんじゃろう。」
ガープ「何故止めんかった。」
医者「・・・あの子の目を見ていたら、止めれんかったんじゃ。」
そう言って、窓の外を見つめる医者。
医者「・・・この町も、寂しくなる。」
ガープ「・・・邪魔したのぅ。」