第10章 さよなら
メアリーは、ミニワンピースに上着を羽織っている格好である。両足には包帯が巻いてある。
シャンクス「・・・痛かったよな。遅くなって悪い。」
メアリー「別にいい。」
シャンクスはそっ・・・とメアリーの包帯の巻かれている所に触れる。
メアリー「治るからいい。」
シャンクス「・・・今からする話は、本気だ。」
メアリーは不思議そうな顔をしてシャンクスを見る。
シャンクス「俺の船に乗らないか?」
ベン「・・・お頭。」
シャンクス「お前は16歳だ。正直、海に出ても問題はない歳だ。・・・それに、足だって治るが、後遺症は残るかもしれねぇ。そうなれば、普段の生活だって大変だ。」
メアリー「・・・後遺症が残れば、私は戦えないね。」
シャンクス「構わねぇよ。俺達が守る。」
メアリー「・・・シャンクス。」
シャンクス「お前に辛い思いはぜってぇさせない。」
メアリー「・・・素敵な誘い文句ね。」
そう言って笑うメアリー。
メアリー「けど、私は残念ながらその手には乗らない。」
メアリーはカウンター席から降りて、力の入らない足で何とか立つ。
メアリー「私は、誰かに守ってもらうだけの人生なんて嫌なのよ。」
そう言ってシャンクスを見る目に、シャンクスは見覚えがあった。
シャンクス「!・・・そうだったな。そういう人だった。」
フッ・・・と笑うシャンクス。
シャンクス「もう誘わねぇから座れ。地面に落ちるぞ。」
ぐいっとメアリーを抱き寄せ、自分の膝に乗せるシャンクス。
メアリー「・・・シャンクス達がここを出るときは、お別れだね。」
シャンクス「あぁ、そうだな。」
メアリー「ルフィ、拗ねそうだよ。何とかしてね。」
シャンクス「あ、あー・・・おぅ。わかった。」