第10章 さよなら
メアリーは必死に、動かない足を引きずって山賊を追いかけようとする。
海に飛び込もうとした時だった。
「メアリーっ!!!!」
そんなメアリーをグイッと引っ張り、抱きしめた男。
メアリー「・・シャ、ン・・?」
シャンクス「馬鹿野郎!!そんな状態で飛び込んだら沈むぞ!!」
メアリー「でも・・・!ルフィが!!」
シャンクス「・・・!海に出たのか!?」
シャンクスはかぶっていた麦わら帽子をメアリーにぽすん、とかぶせると、海に飛び込んだ。
メアリー「シャンクス!?」
シャンクス「お前はそこで待ってろ!!絶対来ようとか思うなよ!!!」
そうメアリーに釘を刺して沖へと泳いでいくシャンクス。
少し経って、港に人が集まり始めた。赤髪海賊団のクルー達である。
ヤソップ「・・・!メアリー!お前、怪我してるじゃねぇか!!」
ルウ「さっきの銃声か!?」
そんな声には耳を貸さないメアリー。
ベン「・・・メアリー、止血しねぇと意識が飛ぶぞ。」
ベンが地面に残る紅い跡を見て冷静に言う。
ただひたすらに海を見つめるメアリー。
メアリー「・・・ぁ・・。」
ぽたり、と地面に落ちた雫。
その直後、子供の泣き叫ぶ声が海から聞こえた。