第10章 さよなら
平穏な東の海で動く大きな船。
赤髪海賊団の乗るレッドフォース号である。
シャンクス「メアリーー・・・今回だけとは言わずにこれからも一緒に行こうぜ?」
メアリー「フーシャ村好きだから嫌だ。」
メアリーはレッドフォース号の船首の上で足を組んで優雅に海を見つめている。
そこには誰も近寄ろうとしない。
写真を撮る者や絵を描く者はいても、誰も近寄らない。甲板から声を掛けるだけ。
絵を描きたくなるほど、写真を撮る衝動にかられるほどの完成された空間。
伸ばされた青紫色の髪が風でなびき、日光でキラキラと輝いている。その髪を耳にかけながら、どこか遠くを見て憂うメアリーの表情。
その空間だけ、切り取られたかのように完成している。
シャンクス「・・・綺麗だよなぁ、メアリー。」
ルウ「16歳には、みえないなー・・・。」
ベン「メアリーー、ずっとそこにいると日に焼けるぞー。傘あったろ。」
メアリー「あー・・・そういえばそうだった。」
スタンッと甲板に着地してこちらへとやって来るメアリー。
メアリー「ふぁ・・・眠いからやっぱり寝る。ご飯出来たら呼んで。」
ヤソップ「ん?おぅ、わかった。」
そのままスタスタと部屋へと戻って行く。
シャンクス「・・・。(・・・あぁ。)」
欲しい。