第2章 誕生
メアリーは4歳になった。
世間では海賊王の血を根絶やしにするために、政府があらゆる手段を使っていた。
当然、ロジャーの目撃情報のあるメアリー達の住む島にも海軍はやってきた。
生まれてくる子供。ロジャーの子である疑いのある子どもは全て殺された。
ルージュ「・・・まだよ。」
ルージュはロッキングチェアに座りながら、お腹の子供に話しかける。
メアリーはキッチンで洗い物をしながら、ルージュの方に耳を向けていた。
ルージュ「まだ、生まれてきちゃダメ。」
メアリー「・・・。(なんで、)」
なんで、あの人の子供だったら、生まれちゃいけないの?
海軍達の声をジッと家で聞いていたメアリーは、その疑問が頭の中を駆け巡っていた。
子供には、何も関係ないのに。変なの。
あぁ、“血”か。
メアリーは妙に納得したように顔を上げ、窓の外を見る。
空は、紅くなっていた。