第8章 少年
グレイ・ターミナル――――――
そこで少女は少年に出会った。
「俺はサボ!・・・エースのいつも言ってる姉ちゃんか?」
メアリー「うん。メアリーです。よろしくね。」
グレイ・ターミナルにて、メアリーはサボと初対面していた。
サボ「しっかし・・・随分綺麗な姉ちゃんだな、エース。こんだけ綺麗だと見せてくれないわけだ。」
エース「Σサボ!!」
メアリー「・・・?サボ君、前から私に会いたかったの?」
サボ「はい!でも、エースが見せてくれなかったんだ!!」
メアリー「そうなんだ?全然知らなかった・・・。」
サボ「いいなぁ、エース。こんないいお姉さんがいて。」
サボは何処か遠くを見つめてそう呟いた。
メアリー「弟、なる?」
そう耽々と返される言葉。
サボ「いいなぁ・・って、いいのか!?」
エース「姉ちゃん?」
メアリー「今時異母兄弟なんて普通でしょ。」
そう言いながらメアリーはサボの目線に合わせてしゃがむ。
サボ「・・・い、いのか?」
メアリー「理由は聞かない。・・・でも、話相手くらいにはなってあげれる。」
サボはちらりとエースを見る。
エース「姉ちゃん、言いだしたら聞かないから俺は止めないぞ。」
サボ「・・・お、ねがい・・します・・・。」
嬉しそうに、けど恥ずかしそうにそう言うサボ。
メアリー「これから宜しくね。」
メアリーはサボの頭を優しく撫でる。
サボは俯いたまま、表情を見る事は出来なかった。