第7章 あの子
エースの隣にぴったりくっついて離れない少女。
人見知りで離れないわけではない。
エース「姉ちゃん、飯の時間だぜ?」
メアリー「エースの好きなの取っておいでよ。私は大丈夫だから。」
エースが肉を取りに行ってる最中、メアリーはその場から動かなかった。
その姿は、山賊達の目を奪うほど綺麗だった。
存在そのものが人形ではないかと疑ってしまう容姿。
ふわふわの青紫色の綺麗な髪、派手すぎず、地味すぎないセンスのいいワンピース、伸ばされた背筋。怪我1つ見当たらない肌。
視線の先には必ずエース。
エースを羨ましいと感じるほどに、山賊達はメアリーに見惚れていた。
元々女っ気のない山賊。そんな中に放り込まれれば、手を出したくなるのが人間の性。しかし、そんな事は小さな少年が許さない。
エース「姉ちゃん、スープなら飲むか?」
メアリー「いいの?」
エース「あぁ。俺が取って来た肉だからな。」
メアリー「ありがとう、エース。」
エースはメアリーの隣に座り込み、ご飯を食べ始める。
エース「姉ちゃん此処に住むのか?」
メアリー「ううん。それじゃあエースの邪魔になっちゃうでしょ?」
エース「そんな事ねぇけどなぁー・・・。」
メアリー「じゃあ、エースが家で暮らせばいいじゃない?」
エース「あー・・・そうなるか。」
メアリー「そうなるよ。」
ダダン「ちょっと待て。・・・家?何処にお前の家があるってんだぃ?」
メアリー「森。」
ダダン「何でエースをウチで預かってるのか意味わかんねぇよ!!!」
メアリー「おじいちゃんが連れてった。」
ダダン「おじいちゃん!?ガープの事か!?」
メアリー「おじいちゃんって呼べって言われたから。」
ダダン「あのジジィ・・・。」
それ以来、エースは週に二日は自宅に戻っている。
ダダンは自宅に戻らせたがっているが、それではガープとの約束を違えるのでは?というメアリーの発言により、それは不可能となった。
いつか、エースに追い抜かれちゃうんだろうなぁ。
エースの食べている姿を見ながら微笑ましそうに笑っているメアリー。
嗚呼、今日も平和だなぁ。