第6章 フーシャ村
マキノ「さて・・・メアリーちゃん、だっけ?初めまして。私はマキノ。このお店を営業しているわ。よろしくね!」
そう言って人のよさそうな笑みを浮かべるマキノ。
メアリー「・・・初めまして。メアリーと申します。この村に遊びに来た時にはこのお店、寄りますね。」
メアリーも穏やかな笑みを浮かべて返す。
マキノ「・・・え?ここに住まないの?」
メアリー「はい。この1週間で家を作り直したのでそこに住みます。」
その言葉に驚いたのはマキノだった。
マキノ「え・・・一人暮らしって事?この1週間で作り直したって・・・?」
メアリー「ガスも水道も通ってる廃家を見つけました。随分と古かったようなので、床板買ったり家具揃えたり、いろいろしました。」
信じられない、とでも言いたげな目である。
こんな幼い少女が、家の修理を出来るなんて・・・。
メアリー「気に入ったので捨てたくありません。なので、そこに住みます。」
では。と頭を下げるとメアリーは走って出て行ってしまった。
マキノ「あ・・・行っちゃった・・。」
メアリーが町に来るのはかなり少なく、しかも必要最低限の用事を済ませると、すぐに戻ってしまう。
可愛い容姿もあってか、いつしか“妖精”と呼ばれるようになり、妖精に会えた日はいい事が起こるという噂が広まって行った。