第5章 成長
平穏な暮らしは、突然終わりを告げる。
とある日の夕方
メアリー「ねぇエース?今日は何食べる?」
エース「んー・・・姉ちゃんの料理!」
メアリー「んー・・・今日何出来るかなぁ??」
そうしてガサガサと何かを探していたメアリーだったが、ピタリと動きを止め、辺りを見渡す。
エース「姉ちゃん・・・?」
メアリー「しっ、エース。・・・誰か来る。」
メアリーがじっ・・・と玄関を見つめる。
エースもメアリーの視線を追いかけて玄関を見る。
すると、勢いよく扉が開いた。
「・・・ようやっと見つけた。」
エース「・・・?」
白い服を着た一人の人間。
メアリー「・・・海軍がこんな家に何か用ですか?」
メアリーが警戒しているのがエースには分かった。
エースは椅子からぴょこんっと降りてメアリーに駆け寄り、メアリーのスカートの裾を握る。
「ワシはガープ。モンキー・D・ガープじゃ。」
メアリー「・・・英雄が、何の用ですか。」
メアリーはエースの手を自分の手と繋ぐ。
まるで、エースは渡さないとでも言うかのように。
ガープ「・・・そやつはロジャーの子じゃな。」
そう確信めいて言うガープ。
メアリー「・・・。」
ガープ「そやつを寄越せ。お前には荷が重いじゃろ。」
メアリーのエースの手を握る力が少しだけ強くなった。エースは不安げにメアリーを見上げる。
エース「姉ちゃん・・・?」
メアリー「エースは渡さない。・・・出て行って!!!」
ガープ「・・・また来る。」
そう言ってガープは去って行った。
エース「姉ちゃん・・・。」
メアリー「あーもうっ!エース!塩撒くよ!誰があんな老いぼれにエース渡すかってんだ!!」
そう怒りながら塩を玄関に撒くメアリー。
そんなメアリーに、嬉しそうに笑うエース。