第5章 成長
「よぉ、ちびっ子。」
エース「・・・。」
今日は晴天。メアリーは夜寝るのが遅かったのか、まだ家で就寝中である。
そんな中エースは起きてしまい、暇だったがために一人で町をぶらついているのだ。
男3「お前と一緒にいる女の子、すげぇ可愛いな。姉貴か?」
エース「・・・だったら何だよ。」
男2「姉貴、俺達に貸してくんねぇか?」
ニヤニヤとエースを囲む男達。
エース「断る。」
そう言ってエースは進もうとするが・・・。
男1「おいガキ。まだ話は終わってねぇぞ。」
ガシッと幼いエースの肩を掴む男。
男1「見栄を張らずに大人しく姉貴を俺達に差し出せば痛い思いもしないですんだのにな。」
そう言って男は肩を掴んでいない方の腕を上に振り上げる。
エース「・・・誰がだ?」
肩を掴まれていたはずのエースは、男の懐に潜り込んでいた。
男1「なっ・・・!」
そして、小さい身体を存分に使い、勢いよく頭突きをした。
エースの頭は男の顎にクリーンヒットし、男は眩暈を起こした。
エース「姉ちゃんはやんねぇ。」
エースは、メアリー以外には一度足りとも懐いた事がなかった。例えメアリーが気を許した相手であっても、エースが心を開く事はなかったのである。
姉ちゃん以外、俺を良く思ってない。
“海賊王の子供だから。”
どうしても、エースは気を許せなかった。どんなに優しくされても、どんなに声を掛けられようとも、エースは懐かなかった。メアリー以外には野生の犬のように牙を向いた。
そうしてエースは、メアリーと一緒にいるために力を欲しているのだ。メアリーを守りたいがために。メアリーとずっと一緒に暮らしたいために。
メアリーを失いたくないから。