第4章 東の海
メアリー「もう、エースったら!待ってよー・・・。」
エース「姉ちゃん、早く来いよ!」
二人の子供が通りを駆けて行くのを見て微笑んでいる大人たち。
メアリー「いい?エース。何かをしてもらった時は?」
エース「んぁ?えーと・・・ありがとう!」
メアリー「そう!じゃあ何か悪い事した時はー?」
エース「ごめん!」
メアリー「大人の人にいう時は?」
エース「ごめんなさい。」
ふかぶかと頭まで下げてみせたエース。
メアリー「うん!」
メアリーはニッコリと笑ってエースの頭を撫でる。
エース「姉ちゃん!腹減った!!」
メアリー「よしっ!じゃあご飯にしよっかー!もやしとー・・・。」
エース「肉!!」
メアリー「お野菜食べてよー!!」
メアリーは6歳、エースは2歳になっていた。
メアリーの教育のおかげか、元々の才能なのか、エースはもう普通に喋り、歩き、走っている。お手洗いにも一人で行けるようだ。
メアリーもメアリーで、一通りの家事をこなし、更にエースの勉強を見たり、たまに出かけたりすることも増えた。
最初の頃は家事で手一杯で他には何もしていなかったメアリー。効率よく家事を回せるようになったようだ。
メアリー「あ、ねぇエース。今日お昼に何かあったの??」
その一言にぴくりと動きを止めるエース。
メアリー「出かけてしばらく、帰ってこなかったし・・。」
家に戻った二人。メアリーは料理をし、エースは椅子に座って待っていた。
エース「・・・なぁ、姉ちゃん。俺、
“生まれてきて良かった”・・・のか・・?」
その一言に、メアリーは持っていたお玉を落とす。
メアリー「・・・エース・・?」
エース「・・・海賊王の子供は、生まれてきたらダメだって、町の人が言ってたんだ。・・だから、俺h」
メアリー「エース!」
エースの言葉を遮るように声を荒げるメアリー。
メアリー「・・・海賊王の子だろうと、エースはエース。私の弟よ。そんな事言わないで。」
メアリーは、泣いていた。