第1章 強がりなキミ*黒尾 鉄朗
「やっと半分まで終わったー!!」
結局、あれから2時間経ったいま、休憩は訪れた。
「クロー?」
未だに自分の首元に顔を埋めているクロを呼んでみるが返事が無い。
「クーロー?終わったよ?」
「………」
「ねえ、もしかして怒ってるの?」
それでも返事が無い。
いつも喧嘩になると黙ってしまうクロを思い出して、少し焦りが出る。
「クロ…」
そっと向きを変えてクロと向き合う体制になる。
まだ腕は首に回されたままで、目線は合わせてくれない。
「怒ってる?」
クロの片腕に手を合わせながら聞いてみると、やっと声が聞けた。
「別に」