第1章 強がりなキミ*黒尾 鉄朗
「みてみてみて!!!!」
「むりむりむり!!!!」
さっきから何度、この会話を繰り返したか…。
四方八方から襲い来るゾンビを打倒していくゲームなのだが…
「きたよクロ!!!あははっ!これやっぱり買って良かったね面白い!!」
と、ハイテンションで次々とゾンビを打倒していくのが花香。
「………………………」
花香を足の間に座らせて後ろからガッチリホールドして、もはや画面を観ないで彼女の首元に顔を埋めて黙っているのがクロ。
微量な外からの光は、あまり意味がなく大音量で流される悲鳴にクロは完全にフリーズしていた。
「…花香さん」
「んー?」
「そろそろ休憩しませんか…」
「んー、もうちょっとしたらね!」
「…………」