第3章 キミが好き*花巻貴大
必死になった想いを伝えてくれる彼女を目の前に、考えてしまうのは花香のこと。
俺だってあいつの事ずっと見てきたつもりだったんだけどな…。
なんて思うけど、理由一つ満足に聞き出せないし、なんせ避けられている。
「あのさ…、俺好きな人いる。」
だから、ごめん。
そう言ったはずだ。後で思い出すと、あんまりその時のことは覚えていない。
先に教室を出た。
本当はそのまま部活に行くはずだった。
「……は?」
扉のすぐ横に見慣れた姿がうずくまっている。
「……何してんだよ…」
花香