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泡沫…HQ

第3章 キミが好き*花巻貴大





「……貴大!」




「……!!」




ボーッと彼女を見ていると目が合った。
いつの間にか、彼女は俺のことを「貴大」、俺は彼女のことを「花香」と呼び捨てをするように仲良くなっていた。




軽く手を振ってやると満足したのか、少し笑ってまた話の輪の中に戻っていった。





休み時間になると教室までやってくるようになった彼女。
弁当こそ俺らと食べるが、自分のクラスでも友達が出来たと聞いている。




「…………よ…」




「ん?何か言った?」





思わず漏れた言葉にハッとした。
及川が聞き返してきたが、正直聞こえてなくてよかった。






楽しそうにしてんじゃねえよ。





花香が遠くへ行った気がして仕方がない。
そんな感情を表すかのように、気を抜けば口から零れ落ちるのは情けない言葉だけだった。






「ねえ、まっきーさ…」




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