第2章 初デートをキミに*及川 徹
及川先輩と付き合うことになったのは、1週間ほど前の事だった。
たまたま友達に付いていったバレーの試合で先輩を見て、一目惚れしたのが始まりだ。
「まっ、晴れてなくても屋内だから良かったけど移動は楽だよね。」
その言葉と一緒に、先輩の足が止まる。
初デートは絶対にここに来たい。そうお願いしたのを叶えて貰ったのだ。
「じゃあ、及川さんはチケットを買って来るので花香ちゃんはいい子にしてここで待っててね!」
それだけ言うと、手を離してチケット売り場の方に行ってしまった。
今日来たのは水族館。
ずっと初デートでは、水族館か遊園地に行くのが夢だったのだ。