第2章 幼い頃の思い出
•イタチ(10歳)side
ほんの数日前に中忍試験に合格した俺は火影様に呼ばれて火影室に来ていた
三代目
「ゴホンっ、始めに中忍試験、合格おめでとう。」
イタチ
「ありがとうございます。ですが、ユヅキの権は納得し兼ねます。」
三代目「………。」
俺の言う"ユヅキの権"とは中忍試験の時にあった出来事のこと
今回の中忍試験はツーマンセルで相手チームと戦い、勝利した者だけが次へ進めるというトーナメント式だった
俺は父と母の勧めで妹であるユヅキとともに中忍試験に臨んだのだが、その中忍試験でユヅキは実力がありながらも中忍になれなかった
問題はユヅキの年齢だったそうだ
三代目
「前にもフガクの前で言ったじゃろ。あやつはアカデミーを2ヶ月とかからず卒業し、もう下忍じゃ。それだけでも十分に異例なことじゃ。最年少で合格したであろうカカシでさえ、卒業は5歳で試験合格は6歳。年が若すぎるんじゃ。」
イタチ
「……それはお伺いしました。ですが…!」
三代目
「わかっておる。実力はもう上忍にもそのうちなれるくらいじゃ。じゃがのぉ、それを黙ってない者もおるということじゃ。イタチならわかる筈じゃ。」
三代目の言葉に俺は黙っていることしかできなかった
三代目はうちはの者だから黙ってない者が出てくるのだと言いたいのだろう
確かに、妹を危険な目に会わせたくはない
そう思うのなら三代目の言葉に従うべきだが、俺にはできなかった
うちはであることで妹の才が認められていないような気がして