第5章 二人の決意
退院してから約一ヶ月が経った頃
そして、その時は来るべくしてきた
ユヅキは退院してからはずっとイタチと一緒に寝ていた
その日の朝、イタチは目を覚ますと隣で寝ているユヅキを見た
イタチ
(いつも起きるとユヅキがいる……。この前まで一人だったのに変な感じだな、自分の隣で誰かが寝ているなんて。)
イタチがそんなことを思って、布団から出た
すると、ユヅキが目を覚ました
ユヅキ
「あ、兄さんおはよ。」
イタチはユヅキの挨拶に答えると、起きたユヅキの隣に腰を下ろす
そんなことは初めてのことでユヅキは少し驚いていた
イタチ
「ユヅキ、よく聞け。実はユヅキが言っていたことはもう起こっているんだ。」
イタチの発言にユヅキは頭にハテナを浮かべる
ユヅキ
「? どういうこと?」
イタチ
「父さんと母さんの二人の話し合いだ。昨晩のことだ。オレは聞いてしまったんだ。ユヅキが見たっていう内容と全く同じものを。」
ユヅキはイタチに全てを話したことを思い出す
その話の中には、ユヅキがミコトと会った時に見た、ユヅキのことについて揉める両親のことも含まれていた
ユヅキ
「じゃあ、私殺されちゃうの?」
ユヅキは急に怖くなってきて、少し目が潤む
イタチはユヅキの言葉を聞いて、目線だけユヅキの方へ向けた
そこには肩を震わせ怯えて泣いているユヅキの姿
そんな姿にイタチは目線だけでは無く、下がっていた顔を上げてユヅキの方を見る
ユヅキ
「もう、兄さんやサスケに……会えなくなるの?」
ユヅキの声は震えていて、イタチはそんなユヅキをギューっと抱きしめた
ユヅキ
「にぃさん……。」
そしてゆっくりとユヅキの頭を撫でた
イタチ
「大丈夫だ。お前は必ず守ってみせる。
だから、これ以上は泣くな。」
(ユヅキだけは絶対に守る、サスケは守れるか自信は無いが守らないと……。)