第17章 帰郷と波乱
ユヅキside
あれ?
ここはどこだろう?
そう思ったのも束の間、激しい頭の痛みと同時に何かが頭の中に流れてきた
これは…あの日の記憶?
イタチ
「これからあの日を彷徨え…」
小さく聞こえた兄さんの声
その瞬間、真っ白だった周りの景色が、あの日の景色へと変わった
うちはの家にいる私
目の前には恐ろしい顔をした父と母がいる
ユヅキ
「!! やめて‼︎」
とっさに何かされると思って目をぎゅっと瞑り小さく構えたけど何もない
目を開け振り返ると小さい私が殺されかけていた
ユヅキ
「そうか、これは過去の…」
私はただただ傍観していた
幼い自分が父に首を絞められているのを
いや、違う
怖くて動けなかった
さっき見てしまった、あの目
あれは娘を見るような目じゃなく、ただただ敵を殺そうとしているような目だった
幼いユヅキ
『ゃ、めて…。たす、け…て』
幼い私が私の方に震える手を伸ばしながら助けを求めてきた
何をすればいいの?
私に何ができるっていうの?
みんな、幸せじゃなくなった
一族のみんなはどうでもよかった
でも、兄さんは里を守った英雄なのに、なぜそんな処罰を課せられている?
サスケは兄さんを仇だと思っている
どうして?
どうしたらいいの?
私の周りはみんな幸せになれないの?
フガク
「そうだ。お前の存在がイタチやサスケを不幸にしている」
ミコト
「あなたのせいでうちはは滅んだのよ。」
ユヅキ
「違う!うちはは滅ぶべくして滅んだのよ!クーデターなんて企らむから…。」
フガク
「いい加減都合の悪い記憶を消すのはやめたらどうだ。」
ユヅキ
「なに、それ…?」