『no title』第2章「chapter 2」 6ページ - 夢小説(ドリーム小説)が無料で楽しめる -ドリームノベル- [スマホ対応]
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no title

第2章 chapter 2



「はぁー…疲れた」

「お疲れ」


京香が誰もいない部室で微笑む。



一瞬、胸が高鳴った。



確かに、最近綺麗になった感じはある。


「まだ残ってたんだ」

「片付け任せられて」

「手伝うよ。玲衣はもう帰っちゃったし。」

「ありがとう。俊優しいね。」

「当たり前じゃん」


2人は少し笑う。


「京香、最近綺麗になったよな」



京香の手が止まる。



「本当?」

少しびっくりしたような表情で俊を見つめる。

「お…おう。みんな言ってるし、最近いっぱい告白されてんだろう?」

「あぁ、まぁね。」

「好きな人でもできたか?」

「え?」

「あ、いや、告白断ってる理由が好きな人がいるからだって…」

京香は急に焦ったような顔をする。

「聞いちゃマズかった?」

「ううん。大丈夫。」

「で?」

「いるよ。好きな人。」

「え!誰!?水輝か?」

「水輝くん…?違うよ。あの人まだ私のこと好きなの?」

「あ、あぁまぁ…」

「そっか」

なんだかマズいことを言ってしまった気がした。

「ね、俊」

「はい」

「両想いになるのって大変だよね」

「はい?」

「相手が自分を好きになってくれるとは限らない。アタックをしても気持ちが自分に向くとは限らないでしょ?」

「まぁな…」

「いいなー!そうやってがんばって一緒になった2人って!」

「そうだけど…どうしたの急に?」

「私が邪魔しちゃダメだよね…」

そう言った京香の瞳は潤んでいた。

「京香、泣いてるのか?」

「泣いてないよ。」

「でも、目」

「じゃあね!」


京香はバッグを掴むと猛スピードで教室を飛び出す。


「…片付け」

「あ、俊さん。片付けやってくれるの?」

「部長!!話…」

「なんのこと?私もう帰らなきゃだけど」


部長はとぼけてるわけではなさそうなので、安心する


「…やります」

「よろしくね」



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