第5章 chapter 5
帰り道
「俊?」
玲衣の言葉にハッとする。
「ん?どうした」
「聞いてなかったでしょー私の話!」
「ご、ごめん…」
「もー仕方ないなー」
彼女がはにかむ。
いつも通りの笑顔。
「…玲衣」
「ん?」
「好きだよ」
「どうしたの急に!もー」
突然の発言に玲衣は少し照れる。
「…俺の家来る?」
「え…」
玲衣の顔がさらに赤くなる
「今日、家族の帰り遅いから」
「俊?」
玲衣が俊の顔をのぞき込むと、
その唇が玲衣のと触れる。
そして、俊の目からは涙が流れる。
「俊、どうしたの?」
「来る?」
「…うん」
2人は手を繋いで家に向かう。