第1章 chapter 1
新学期。
部活のシーズンがまた始まり、部員の距離が縮まる時期となった。
俊と玲衣は相変わらずカップルのままで、水輝は京香が好きだが全く進展はなかった。
「水輝~お前京香に全然アタックできてねーじゃん」
「無理だよ。ばれちゃったし、あれからどう話せばいいかわからないし、俺には無理だよ」
「ネガティブだなおい~。バレてもそこからどうするかだろ!」
水輝はその場から離れた。
「俺だってアタックしたいよ…アタックして両想いになって付き合いたいよ…」
水輝は水輝なりにがんばっていた。
チャンスがあれば京香の近くにいたし、京香と仲がいい子とは仲良くしていた。
しかし、本人と話す勇気だけはなかった。
『臆病者』
その三文字が頭の中でグルグル回っていた。