第2章 薔薇の花嫁
「みんな木原ちゃん良いって」
及川さんの言葉に部室の戸が開きぞろぞろと人が入ってくる。
三年の花巻、松川先輩。
一年の国見くん金田一くん。
バレー部のレギュラーメンバーだ。
男子より植物に興味のある私でも知っているそうそうたるイケメンだ。
そしてでかい。
うう、囲まれると威圧感あるな。
みんな180くらいあるんだろうか。
「あれ、渡っち達は?」
及川先輩が云う。
「キレて逃げようとした京谷さんを宥めて監視してます。矢巾さんと」
国見くんが答える。
「もー、狂犬ちゃんは気が短いんだからなぁもぉ」
及川先輩は云いながら私の肩に手を置く。
「で、取り敢えず木原ちゃん、味見…良いよね?」
あじみ…。
え、まさか、…えぇ?!
全員の目が私に集まる。