第2章 薔薇の花嫁
「ふぁ、ふぁい」
温室、温室。
部費、部費。
一一大事なこんにゃく芋の可憐ちゃん(名前)の為だ。
「じゃあ毒味って事で一年からね♪」
及川さんが一年生を前に押し出す。
座っている私には二人はすごく大きく見える。
てか大きいよね。
「ほんとにいいの?」
金田一くんが云う。
国見くんはぬぼっとその肩に頭をのせて私を見おろしている。
「ふ、ふぁぁい」
声が震えた。
「ちょ、泣いてますよ」
金田一くんがあわあわしながら背後の及川先輩に云う。
ありゃ、何やら顔が熱いと思ったら私は泣いていたらしい。