第8章 及川先輩と、が、☓☓☓
「はいはい、抱かれてる最中に他の男を見ないのー」
及川先輩に手で前を向かされ…、
今度こそ本当に唇にキスされた。
そのままボーっとしていると軽く唇を噛まれ、びっくりして開いた口に舌が入ってくる。
「ふにゃっ」
間抜けな声が出てしまう。
そのまま口の中を舐め回され舌を吸われて、何だか頭がくらくらしてくる。
ちゅぅっと、最後に強く唇を吸われそれが離れた。
ふぅふぅ短い息が漏れる。
「キスだけでくったりしちゃうとかつむぎちゃんて案外初心でかわいー」
可愛くありません!
首をぶんぶん振る。
「そんな事ないよ。可愛い…すんごく可愛い…」
及川先輩が私の胸をつかみながら耳元で囁く。
暗示をかけるみたいな甘くて優しい声に思わずポーと呆けてしまう。
「わ、私可愛くないです」
雰囲気に飲まれたくなくて云うと、
「可愛いし、なぁ?」
「うん、毎回初心な反応するのめっちゃ可愛い」
花巻先輩達が云う。
「キスしてきた時のお前…すごく可愛かった」
岩泉先輩まで?!
国見くんが何か悔しそうな顔してるし。
「木原は可愛い」
金田一くんが云ってくれた。
何の根拠もないのに、何か重い。