第8章 及川先輩と、が、☓☓☓
愉しそうな笑顔。
でも目は笑ってない。
獰猛なケダモノみたいな鋭い感じ。
た、た、た、食べられる。
ぎゅっと体をちぢこめながら目をつぶった。
ちゅ…、と温かいものがまぶたに触れる。
「そんな怖がんなんでよ。及川さん木原ちゃんが俺を選んでくれてうれしーよ」
優しく、緊張をほぐすみたいに頬、鼻筋、耳とキスされた。
「んっ…ふっ」
耳に息がかかってくすぐったい。
そうしたら、くすっと及川先輩が笑う。
ちゅっと又耳にキスされる。
「ひゃぁっ、あんっ」
変に甘ったるい声が出てしまい恥ずかしい。
「つむぎ、耳弱いんだ。かわいー」
ちょっ、とぉっ、このタイミングで、耳元で名前呼びは反則だと思います!
思わずきゅん、としてしまい…、
「ひゃうっ」
一層変な声が…。
ちゅっちゅっとあったかい唇が耳の軟骨をなぞるようにキスして…、
にゅるっと舌が舐める。
「ひゃあぁんっ!」
くすぐったい。