第7章 夜のお茶会
「ほら、ローズヒップティー、貧血にも効くよ」
部長に水筒を渡され、飲む。
きっとこの園芸部で作ったものだろう。
美味しい。
「石和部長…ありがとうございます」
喉が渇いていたからゴクゴク飲んでしまう。
「すまないね。部のために苦労をかけて」
部長が頭を撫でてくれる。
部長の手は冷たいがまだ熱を持っていた体には心地良い。
「見回りはここには来ないからゆっくり休んで行きなさい。帰りは警備システムに引っかからない抜け道があるから教えるよ」
部長は小さく笑う。
「ほら、可憐と話すかい?植物はちゃんと私達の言葉を理解してくれるよ」
『毎日美しさを讃えた胡蝶蘭は美しく咲くというしね』と、部長はしめた。