第1章 丁重にお断りされていただきます。
「はじめまして、木原さん」
放課後、排球部一一バレー部の活動する体育館へやって来た私は主将である及川先輩に部室へ案内された。
前門に校内屈指のアイドル的存在のイケメン、及川先輩。
マネージャーの話の説明とは云え緊張する。
更に後門を副主将の岩泉先輩。
及川先輩はがジャニー○なら岩泉先輩はAK○だ。
誰にでも優しい親しみやすい感じがある一一らしい。
「あの…それで私は一体何を?」
私が問えば、
「うん。俺達に血を提供して」
さも当たり前のように云う及川先輩に私はポカンと口を開けた。
ち?ちって、血だよね?
「昔々、このあたりには裏世界で一城をきずいた吸血鬼の王がいたんだよ。彼がこの地を去った今もその種は花を咲かせているんだよ」
及川先輩はにこやかに云う。
種?花?
ここに花が?
園芸部の私としては花と聞いて黙っていられない。