第6章 教えてよ。
館内を抜けた時にはもう私は小走りになっていた。
熱い。
体が熱い。
鎮めたい。
解放されたい。
隅にある手洗いに行き女子トイレに駆け込む。
そして今まさに個室のドアに手をかけた瞬間、私は背中を押されて中へつんのめった。
「いにゃぃ…」
ドアに顔をぶつけ洋式便座に抱きつくような形になった私は鼻をおさえて呟く。
振り向けば、
「え、…国見、くん?」
と、その後ろで金田一くんがおろおろしてる。
「ねぇ、岩泉さんとヤッた?」
国見くんが真剣な顔で聞いてくるので思わず私は素直に頷いてしまった。