第6章 教えてよ。
ちゅーちゅーと小さな吸い上げる音がして、私の血が牙に向かって集まる。
渡先輩も何か他の人みたいな威圧感がないせいか…失礼ながら可愛いな、ナンテ思ってしまう。
「それより私の血、美味しいですか?」
私自身ではよく分からないけれどバレー部の人達いわく私の血は美味しいらしい。
ていうか私は流れで、しょ、…処女を…なくしてしまった訳だけれど。
味、変わらないのかな?
「すごく美味しいです。ありがとう、木原さん」
ぽん、と頭を優しくたたかれる。
う、何かすごく照れくさい。
「わぁ、すいませんっ、いやだったよね?」
渡先輩は無意識だったのか慌てている。
「いや、大丈夫です。むしろ嬉しいです。ありがとうございます」
笑ってみせると、渡先輩も笑ってくれた。
良かった。
貢献できてるなら何よりだ。
「ねぇ、木原ちゃん処女じゃなくなったんだって?女の子って処女じゃなくなるとお尻がやわらかくほぐれるって聞いたけどホント?」
渡先輩が練習に戻って行きながらコケた。
及川先輩何云ってるんだ。
「知りません」
ピシャリと云うとおもむろにお尻をつかまれた。
「ひ、ひ、ひゃああっ!」
叫ぶ私に館内にいる部員たちが振り向く。
「そういえば処女の時に触ってないから差がわからないや、メンゴ!」
云いながら手を今度は肩に回す。