第37章 happy Bell.
「ん。ありがとね」
私の差し出した塩キャラメルを受取る国見くん。
で、おもむろに一つキャラメルを取り出し私に突きつけた。
「はい」
「…?」
「食べさせて?」
包をむいて差し出すと国見くんは手を振った。
「口で食べさせて?」
私は飛び上がる。
え、えええ?!
「く、国見ちゃん?!」
及川先輩が叫ぶ。
そうだよ、みんな見てるのに!
「流石にだめか…」
「そうだよ!つむぎちゃんだって恥ずかしがるよ!」
及川先輩が勝手にまくし立ててくれる。
で、でも!
「大丈夫です!ではっ…」
いざっ!
と、口にキャラメルをくわえ、国見くんの肩にしなだれるように手を置く。
「ど、どしょっ」
そのまま高い位置にある国見くんにキャラメルを唇にはさんだまま突き出す。