第36章 Twinkle Date.
遅い時間の室内には人影はなく委員の者さえ奥の禁帯出書庫にこもっている。
悪いと思いつつも私は眠気がぬぐえず先程からこっくりこっくり船をこいでいた。
ひたいを机にぶつけそうになっては金田一くんが頭を支えてくれる。
「期末考査、頑張ろうと思って勉強してるんだけど、私ノートとかまとめるの下手で…」
「だから夜更かししちゃうんだ?」
「うん」
頭を上げてペンを握りなおす。
…でも何だかまだ頭がぼんやりする。
「こっちくる?隣なら寝てても肩かせるし」
こくこく頷きお言葉に甘える事にした。
席を立ち金田一くんの隣に座り直す。
こうやって肩を並べると金田一くんはやっぱり大きいなあと実感する。
それに肩も腕もたくましい。
私はどちらかというと細い方だから何だか羨ましいな。
「な、何?」
ジッと見る私に金田一くんが気恥ずかしそうな
顔をしている。
「ぅや、背、高いなぁって…」
まだ眠い。
「高いってか長いってよく云われる…」
ハハッと乾いた笑いをもらす金田一くん。
確かに長いとも云えるけど、やっぱり単純に羨ましいよね。
んー、我慢して引き寄せたノートを見ようとしたもののまぶたが重い。
「ちょっと寝たら?」
「いいにょ?」
うう、噛んだ…。
「いいよ」
こっちを見下ろし笑んで金田一くん。
優しい笑顔になごむ。
「ありあと〜…」
熱いまぶたにまかせ金田一くんに寄りかかる。
がっしりしてあったかい。
少し申し訳ない気持ちはあったけれどすぐに私はあたたかな眠りの沼に引き込まれた。