第35章 Holic Date.
駅前から夜になると人気がなくなる方向へ。
会社や倉庫が立ち並んでいるからあまり人はいない。
その隅に不釣り合いに明かりがついた建物。
綺麗な美容室みたいな石畳のポーチに蔓草の絡んだアーチ。
アーチの隣にはでっかい看板。
アーチの先に明かりはついているけれど戸のガラスはスモークで中は見えない。
私達は並んでそこへ入っていく。
戸の向こうは広がったホールになっていて壁にはいくつも写真とボタンがついたパネル。
「押しますよ」
何だか落ち着かない様子でそわそわしている矢巾先輩をあてにせず明かりがついている写真の下のボタンを押す。
パネルは結構な数明かりが消えていた。
ま、休みの日の夜だもんねー。