第35章 Holic Date.
私はぬめる手をふくこともできず、矢巾先輩とつないだままエレベーターに乗る。
ガチャリ…
戸にロックがかかる音がする。
ふう、と息をついて私はベッドに腰掛けた。
矢巾先輩もついてきて手をつないだまま座る。
「入れましたね」
薄暗い何か色のついた照明。
狭い部屋にはキングサイズのベッドにソファ、その向かいに壁にぺったりついたテレヴィジョン。
そう一一まさか男性のお家に行けるわけもなく、私達が来たのはラブホテルだ。
「大丈夫ですか?」
握った手はお互い手汗がひどくて冷たい。
矢巾先輩は自分から行ってみたくない?と誘ってきたのに緊張しているのか表情がかたい。
まあ、それくらいの方が男前ですけど!
「大丈夫」
「あー、大丈夫ですか?おっぱいもみます?」
全然大丈夫じゃない顔をしているのでふざけてつないでいた手をつかみ、胸に押し当てる。
顔は驚いているけど体は正直だ。
しっかり乳をつかまれる。