第35章 Holic Date.
「服変わると雰囲気変わるね」
ハァ?!
思わずまじまじと矢巾先輩を見たが彼はちっとも目をそらさないので私がうつむく。
何かほめられて…嬉しい。
更にめちゃくちゃ恥ずかしい。
「可愛いですか?」
下を見おろす。
母にもらったモカ茶のトレンチに赤いブラウス、下は黒のフレアミニ。
サイハイソックスにショートブーツ。
髪はサイドテール。
大人っぽくしたかったけど見えないかな?
「普段はほんと可愛いけど、今日はキレイ」
しみじみって口調で云われてかぁっと顔が熱くなる。
褒めすぎィ!
恥ずかしい。
「他の奴とは何したの?」
矢巾先輩は話をそらす。
恥ずかしかったのか頬が赤い。
照れてます!可愛い…。
そして、デートの話だがあれしたこれした、と自慢しているのは及川先輩だけで他の方は皆異口同音に『そこら辺ぶらぶらしただけ』と言い張っている。
確かにそうなんだけど、ね。
厳密にはみな違う事を私に要求した。
誰かと一緒にではなく、順番待ちでもない……な事も全員としているし。
私も求められたら嬉しくて断るなんて考えられなくなる。
一一大好きなんだもん。