第35章 Holic Date.
で、まあふらふらあっちこっち見て回ったんですよ。
んで、歩き疲れたーってクレープを買って食べているのです。
「あの…」
中に入ったプリンをこぼさないように食べながら声をかける。
こうやって向かい合って座ると流石に矢巾先輩も男性、一一上背があるとわかる。
普段特別意識していないけどこうしてふと体格差を覚えると何だかトキメかずにはいられない。
だって黙って立ってればギリシア神話に出てくる一騎当千の神子の像みたいなんだもん。
私なんかラヴクラフトの邪神みたいな面ですけどっ☆ミ
「何?」
笑いながら矢巾先輩は私の唇に触れた。
接触した瞬間、指先が震える。
緊張しているのかな?
離れた指にはクリーム。
とってくれるとか優しいな…。
「私といて楽しいですか?」
聞けば矢巾先輩は首をかしげた。
「楽しくないように見える?」
云いながら指先でぬぐったクリームをぺろっと舐める。
こ、こらこら!間接キス!