第33章 Friend Date.
「あ、英くん」
「うん」
ほわ、と国見くんが笑った。
何ですかその笑顔。
可愛いんですけど!
又ドキドキしだしたんですけど!
「英くん、英くん」
名前を呼べば照れくさそうに眉が下がる。
「つむぎちゃん」
「英くん」
バカップルだな。
これじゃ。
「ね、」
不意に国見くんが視線をゆらす。
「はい」
「いい、かな」
ぽっと赤くなる顔にその意味を理解して私も赤くなる。
「は、はい」
答えると国見くんはパッと表情を明るくした。
現金だなって私は鼻白む。
でもやっぱり断れないし嫌いにならないし嬉しいし…好き。