第32章 ピタゴラTrip！

「君たちほんとに木原くんが好きだな」
私がいすに座り直し足を組むと矢巾くんが立ち直って云う。
「当たり前じゃないですか。あんな子……中々いないんですよ」
そうだね。

「血を吸っても怖がらないし」
渡くんが呟くような声で云う。
そうだね。慣れたみたいだ。

「…」
京谷くんすら何かちょっと顔がやわらかくなってるしね！
旦那連中みんなそろいもそろって骨抜かれすぎ！
木原くんは色気ありすぎ。
分かるけどね。
長い髪に隠された白くて冷たそうなのに触ると存外あったかい首筋を見ると食べたくなるし。

手足なんかポキっと折れそうに見えたりするし、旦那様のために髪型かえまくってた時とか涙ぐましくてキュンてきたし。