第32章 ピタゴラTrip!
「矢巾くん、ほら、ど、う、し、た、の?」
彼の側に座り顔を見て云う。
「机に手紙が入ってて」
あら、今時古風なラブレタァだ。
「木原の名前が書いてあって」
それでそれで。
「でもそれイタズラで」
ああ、ニラニラウォッチされたと。
で、感傷的になりヤケをおこして飛び出した、と。
うわぁ、聞いて後悔した!
私は貝になりたい!
「バカだねぇ。あの子は君に手紙なんか書かないよ」
私が笑いながら云うと又彼はメソメソしてるし心持ち残り二人が冷たい目をしている気が。
違うから!
「木原くんならきっと矢巾くんに直接云いに来る。だからだまされないように!」
矢巾くんは潤んだ目で頷く。
渡くんがそっと胸をなでおろしている。
京谷くんは一一地顔かな!