第31章 Birthday Date.
「ん。可愛い」
頭をよしよしされて私も嬉しい。
思わずやに下がるとそっと抱き寄せられて、キス、された。
ぶわっと顔が熱くなるのが分かる。
松川先輩とアンナ事やソンナ事はいっぱいしているけどキスなんか改まってしたのは初めて、カモ。
何だか初めてキスする様に慌てて松川先輩の腕から逃れる。
「御免、ヤだった?」
又優しくよしよしされて真っ赤な頭をぶんぶん振った。
「ちがくて」
「じゃあ、嬉しい?」
壁際に立っていた私を松川先輩の腕が囲う。
か、壁ドンてヤツですよねコレ!?
更に赤くなる私の目線に合わせ、松川先輩がジッと見つめてくる。
「は、はい」
今日は松川先輩のお誕生日だからキチンと答えなきゃ一一そう思えて必死に声を絞り出す。
「なら良し」
松川先輩はスッと身を離してしまった。
な、名残惜しくなんかないし!ないし!
熱い頬を手で冷やしながら靴箱に逃げる。
「い、行かないんですか?」
「行くよ」
見返りながら云う私に追いつき松川先輩が見下して。
「じゃあ、靴、履いてきます」
恥ずかしくてぶっきらぼうに云い歩き出した。