第31章 Birthday Date.
メタい理由で今度は松川先輩と私はデートするらしい。
又しても飛び交うメッセージ。
悔しがる国見くん達。
相変わらずマイペースな及川先輩と影山くん。
岩泉先輩はいつも通り。
で、一一当の松川先輩はというと、
「誕生日だから、何か特別な事してくれたりするワケ?」
放課後待ち合わせた昇降口で云われる。
「は、はいっ!あの、私、知らなくて、プレゼントとか用意してないのでできる事なら!」
私がまごつきながら答えると、にぃと松川先輩がわるぅい感じで笑う。
「な、何ですか?」
「できる事しか云わないから何でもお願い聞いてほしいかな…ナンテ」
何だか思わず赤くなる私。
ニヨニヨ笑って流し目を送る松川先輩。
「それなら、勿論…」
云いながら何だかちょっと怖い、カナなんて。
「ん。ありがと」
松川先輩は云って又真顔に戻る。
「とりま、前にやってくれた三つ編み、可愛かったからやってきてくんない?」
松川先輩が弾んだ声で云う。
う、嬉しいのか。
そっか。
私は頷いてトイレに走った。
廊下の隅のトイレの鏡の前に立ち髪を編んでいく。
上は編み込み。からの三つ編み。
最後はゴムで留めた。
それに合わせて軽くメイクをする。
又昇降口に戻って松川先輩のマフラーを引いて合図すると彼は振り向く。
口角がきゅっと上がる。