第28章 AXIA
「一先輩、嬉しいです」
お迎えもデートも。
やっぱり…好きだな。
この人が…。
「な、つむぎ」
ふぇ。
名前、呼ばれた。
胸がきゅうんと熱くなる。
立ち止まって隣を振り見る、と。
強く、痛い位強く抱き寄せられてキスされた。
冷たい唇。
べた、と私の唇に塗っていたグロスがぬとつく。
その感触すら生々しくて…堪らなく狂おしい程に私を火照らせる。
「はひめせんぱい、色、うちゅってます♡」
ハンカチをポケットから出して離れた岩泉先輩の唇を拭く。
んで、ついでにリップクリームをぬりぬりしてあげた。
私にもぬる。
ぐひっ、間接キッスですっ♡