第28章 AXIA
「はよ」
「おはようございますッ」
あれぇー?
何か不機嫌だぞぉー?
なんでだなんでだー?
心当たりが有り過ぎてうっかり口に出来ないぞー?
「いきましょっ♡」
分からない振りをして私は岩泉先輩の隣に並び手を繋ぐ。
冷たい手一一。
別に家に来てくれても良いのに待っててくれる奥ゆかしさが何かいーよね。
早くあったかくなるようにぎゅっと握る。
体もくっつける。
この辺りは城西生は少ないから恥ずかしくないし。
「やっぱお前可愛いな」
よしよしってされてえへってなる。
岩泉先輩のご機嫌も治ったみたいだ。