第27章 白齣
だからって訳じゃないけどゆったりできる。
制服をたすきがけしてひもで止めてまくり、水をやったり剪定したり葉を拭いたり栄養剤を刺したり♡
あああ、たのしーい!(ヤサスィーンの発音)
疲れたら石和部長とお茶したり。
部長はいつもどこかからお茶菓子を持ってくるし。
あれは一体どこから手に入っているんだろう?
購買部にはない和菓子が多いし。
部長が買いに行ってる様子もない。
ていうか、校外にいる石和部長って…そういえば知らないかも。
家にも植物とかあるのかな?
花屋さんとかだったりして!
あんまり部長のプライベートって知らないなぁ。
ま、良いか。
あんまり詮索していい話じゃないよね。
「や、木原さん!やってるかい?やってるかい?」
部長が藪を掻き分けやって来た。
制服も私なんか最近は気を使ってスカートを折ったりしているけど石和部長は今時珍しい膝下丈だ。
タイツじゃなくソックスだし靴もきっちり運動靴だ。
珍しい位に古風、なのだ。
「はい!あ、ルチィアーノちゃん拭いてあげた方が良くないですか?」
最近冬が近いからルチィアーノちゃんは元気がない。
蕾はなくなり緑も何だか青褪めて見える。
アマリリスは冬に弱い。
温室が完成しなかったら今年こそ枯れてしまったかもしれないし、良かった。