第16章 トワイライトカノン
園芸部には部室が無いし。
部員が集まるというコトもめったに無い。
個々勝手に好きな時に来て植物を愛でるだけだ。
私みたいに毎日活動している部員はいない。
後は石和部長くらいだ。
最近寒くなってきたからルチィアーノちゃんが元気がないと日々嘆いている。
勝手知ったると部室の戸を開ければ室内には矢巾先輩の姿があった。
明るいホワイトのブレザーに先輩のホワイトブロンドが映えてキレイだ。
まあ、黙っていれば。
後及川先輩がいなければ。
「お、来たね来たね」
矢巾先輩が舌なめずりする。
「もー、そうやって食欲むき出しだからカノジョできないんですよ!」
まあ、高校生男児の話題なんか限られたもので、よく女子と付き合いたいとか彼らは云っている。
が、部活動に忙しく、更に大食漢の矢巾先輩にカノジョができたためしなどない、らしい。
又聞きだからよく知らない。
「木原に云われたくないし」
「あ、失礼ですね!私だってカレシくらい…」
いたコト、ありませんでした…。
彼氏いない歴=年齢です…。
うへぺろ(´>ω∂`)☆
「ほら、木原みたいなチンチクリンには云われたくないし」
「じゃあほら、試しに私を口説いてみてくださいよ」
売り言葉に買い言葉というか…、
矢巾先輩は何か話しやすい。
親しみやすいってゆーのかな。
及川先輩みたいな近寄りがたいアイドルオーラがないってゆーか。