第16章 トワイライトカノン
たまにトビオちゃんは私の血を飲んでみたいとつぶやきますが、国見くんが監視しているかのごとく即レスで断っています。
私のコトなのにです。
あまり遠くではない他校生らしいので、いつか飲ませてあげたいのですが機会が…。
ナンテ考えながら今日もそろそろ部活動が終わるであろうという時間に部室棟に向かいます。
草むしりに株分けに植木の剪定一一。
今日も一日頑張りました。
勿論可憐ちゃんにもいっぱい話しかけました。
彼?の花が見られるのも遠い未来ではないかもしれません!
嗚呼、我が愛しの可憐ちゃん。
あなたのためなら私はどんな目にだってあえちゃいます。
…例えば、たわむれにもてあそばれる、とか。
すぅ、と吸った息は冷たくて。
そろそろ季節は秋です。
冬も遠くないでしょう。
東北の夏と秋はひどく短いのです。
まあ、その分冬の星がキレイなのですが。
寒くて、冷たくて、指を組み合わせてこすり合わせる。
目の前の部室棟の階段をひとつ、又ひとつと上がる。
それはもう慣れたはずなのに何だか変な感覚がした。