第13章 個人レッスンは甘い罠?
「だって岩ちゃん?」
及川先輩の目配せを合図に岩泉先輩と京谷先輩が私の両腕を後ろから押さえる。
「悪く思うなよ木原」
岩泉先輩ひどいよ!
「悪いな木原」
悪いと思うなら離して京谷先輩!
「やぁ…」
涙ぐんでみせる。
でもむしろそれは煽ってしまったみたいだ。
みなさんの視線が集中している。
うう、こんなコトになるなら今日もおしゃれなのにしたのにっ。
ってか、こんなのセクハラだよ!
「ほら。渡っちも見たいでしょ?脱がしてあげて」
及川先輩に云われて渡先輩が進み出る。
ひょいっと後ろからベストはひっぱがされた。
「渡せんぱぁい…」
私は半泣きで云う。
「ごめん、でも見たいんだ!」
うう、渡先輩男らしい、かっこいい!
でもやだ…あ、やだ、タイほどかないで!